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月別アーカイブ: 2025年4月

ドイ産業のよもやま話~part10~

皆さんこんにちは!

 

さて今回は

~設計~

ということで、コンクリート土木工事における設計の目的、設計フロー、検討事項、実務上の課題を含めて、深く・広く・実用的に掘り下げて解説します。

 

構造物の命をつくる「設計図面の裏側」に迫る

道路や橋、河川護岸、擁壁、ボックスカルバートなど、
私たちの生活を支えるインフラには必ずコンクリート土木構造物が存在します。

そして、それらを機能的・安全に構築するための最も重要な段階が「設計」です。


なぜ“設計”が重要なのか?

◯ 設計とは「構造物の寿命と機能を決める行為」

コンクリート構造物は一度施工されれば数十年にわたって風雨や荷重に耐える必要があります。

設計によって決まるもの

  • 対応荷重(車両、土圧、水圧など)

  • 寿命(設計耐用年数)

  • 維持管理性(点検や補修のしやすさ)

  • 施工性(作業の安全性と効率)

  • コストと工期

設計次第で「使いやすく、壊れにくく、維持しやすい構造物」になるかどうかが決まるのです。


コンクリート土木構造物の設計フロー

  1. 基本設計(概略設計)  → 用途・敷地・地盤・交通条件などから概略仕様を決定

  2. 詳細設計  → 荷重・構造形式・鉄筋量・断面寸法を計算

  3. 図面作成(構造図・配筋図)  → 施工業者に渡すための情報を詳細に記載

  4. 設計照査・VE提案  → 安全性・施工性・コストのバランス確認


構造形式と設計方針の選定

◯ 主なコンクリート構造物とその特徴

種類 設計のポイント
擁壁(L型・逆T型) 土圧計算、転倒・滑動・支持力安全率の確保
ボックスカルバート 車両荷重、水理計算、浮き上がり防止
橋台・橋脚 活荷重、地震力、沈下・傾斜への耐性
護岸・床版 波圧・流速、氾濫対策、洗掘対策
土間・舗装 養生、ひび割れ抑制、耐摩耗性

各構造物は、現地地盤条件・使用目的・上部荷重に応じて構造形式を選定する必要があります。


構造計算と配筋設計の重要ポイント

◯ 基本的な構造計算要素

  • 自重・土圧・水圧・衝撃荷重・地震荷重などを考慮

  • 使用基準:土木構造物設計便覧(日本道路協会)
     - 道路橋示方書・同解説
     - 建設省土木研究所基準など

◯ 鉄筋設計の留意点

  • 主筋・せん断補強筋・かぶり厚さの確保

  • ひび割れ幅制御(0.2~0.3mm以下を目安)

  • ジョイント部や打継ぎ部の一体性・水密性の確保


耐久性設計と長寿命化の工夫

◯ 劣化因子への対応

劣化要因 対策例
中性化 十分なかぶり厚、緻密なコンクリート
塩害(塩化物イオン) 水セメント比の低減、混和材(フライアッシュ、シリカフューム)使用
凍害 AE剤使用、空気量の適正管理
アル骨反応 低アルカリセメントの使用、骨材選定

設計段階で耐久性に配慮しないと、10〜20年で補修費用がかさむリスクが生じます。


施工性と維持管理性を考慮した設計

◯ 現場での施工のしやすさ

  • 型枠の組立性、脱型性、鉄筋組立の容易さ

  • 重機の進入経路、施工スペースの確保

  • 重力式構造 vs 杭基礎など、施工環境に応じた形式選定

◯ 維持管理・点検を意識した設計

  • 点検口・開口部の配置

  • 排水計画や沈砂池の設計

  • 長期的な維持費用と修繕時期の見通し


環境と共存するコンクリート設計

  • 遮音・景観配慮(色・表面処理・形状デザイン)

  • 自然再生・緑化ブロックの導入

  • CO₂排出量の少ないコンクリート(エコセメント、低炭素型)の活用

現代の土木設計では「持続可能性(SDGs)」の視点が不可欠になっています。


✅ コンクリート土木工事における設計は「見えない未来の品質」を作る仕事

コンクリート土木構造物は、人々の暮らしを“数十年単位で”支えるインフラです。
そしてその命は、図面上で設計されたときにすでに始まっています。

設計者は単に構造計算を行う技術者ではなく、
安全・コスト・施工・維持・環境すべてを見渡す総合的な判断力が求められます。


設計で押さえるべき7つの柱

項目 内容
用途 使用目的・荷重条件の整理
構造形式 地盤や工法に応じた最適形の選定
荷重計算 静的・動的・偶発荷重まで網羅
配筋設計 ひび割れ・かぶり・施工性に配慮
耐久設計 中性化・塩害・凍害・アル骨対策
施工性 重機動線、型枠・鉄筋作業性
維持管理 点検性、修繕しやすさ、長寿命化策

 

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ドイ産業のよもやま話~part9~

皆さんこんにちは!

 

さて今回は

~確認事項~

ということで、コンクリート二次製品の運搬業務における事前確認事項を、5つのカテゴリに分けて徹底的に掘り下げて解説します♪

 

安全・品質・納期を守る「搬送前のプロの段取り術」

コンクリート二次製品(U字溝、ヒューム管、境界ブロック、擁壁、プレキャスト製品など)は、
建設・土木現場で欠かせない基礎資材ですが、その運搬は非常に繊細でリスクの高い作業です。

なぜなら、重量が大きく形状が不規則で、衝撃や割れに弱い
さらに、納品先の条件は日々変化し、搬入タイミングにも厳格な制約があります。

だからこそ、運搬前の「事前確認」こそが、安全・効率・品質確保のカギを握るのです。


🧱 製品情報の確認 「何を運ぶのか」を正しく知る

✅ 製品の基本情報を正確に把握

  • 製品の種類(ヒューム管、U字溝、擁壁、ボックスカルバートなど)

  • サイズ(長さ×幅×高さ)、重量

  • 単体 or セット品(付属品・スペーサーの有無)

✅ 破損しやすい箇所を確認

  • コーナー部・継手・接合用の溝部・ボルト穴周辺は割れやすい要注意ポイント

📌 製品の図面や仕様書があれば、事前に確認し現場での取り扱いリスクを低減できます。


🚛 車両・積載条件の確認  安全輸送の土台づくり

✅ 車両選定と積載計画

  • 平ボディ、ユニック車、トレーラーなど製品に適した車種を選ぶ

  • 積載可能重量と重心位置を事前計算

  • 複数製品を積む場合は、荷崩れ防止と順番の最適化

✅ 固定方法と資材の確認

  • ワイヤー・ラッシングベルト・角当て・滑り止めマットなどの準備

  • 鋼製製品や金具付は金属同士の接触で欠けやすいため、緩衝材の使用が重要

📌 運送会社の過失で製品が破損した場合の保証内容や保険条件も事前に整理しておくと安心です。


🗺 搬入先(納品現場)の確認 「届け先」の実情を知る

✅ 現場情報の事前把握

  • 搬入先の所在地、進入経路、道路幅、車両進入制限(重量・高さ)

  • 現場にクレーンや重機があるか?荷下ろしはユニック or 人力か?

  • 時間指定の有無(朝イチ納品、昼休憩中NGなど)

✅ 現場状況に応じたリスク対策

  • 雨天時やぬかるみエリアへの搬入はスタックの危険あり

  • 搬入路の勾配や段差に応じてスロープ・仮設材の準備が必要な場合も

📌 特に造成現場や都市部の道路工事では、搬入時の道路規制・警備員配置も要検討です。


🧾 書類・指示系統の確認  「伝達ミス」が事故を生む

✅ 搬入指示書・納品伝票の確認

  • 品名・数量・納品日・現場名が一致しているか?

  • 現場担当者の連絡先、納品先の責任者の氏名と立ち会い有無

✅ ドライバー・現場担当者の情報共有

  • 地図や搬入ルートを事前に共有

  • 万が一の納品トラブルに備え、連絡体制(携帯・無線)の確保

📌 運送業務では「言った・言わない」のトラブルが頻発するため、事前の確認記録が重要です。


🧯 安全・法令・コンプライアンスの確認 「もしも」に備える意識

✅ 道路交通法・過積載防止

  • 運行前に積載重量・幅・高さ・長さの制限を遵守

  • 必要に応じて「特殊車両通行許可」の申請を行う

✅ 荷役・落下事故防止対策

  • 積み込み・荷下ろし作業時の誘導員配置と声かけ

  • 荷崩れ・飛び出し防止の点検リスト

  • 作業中のPPE(ヘルメット・安全靴・手袋)着用の徹底

📌 トラックの荷台からの製品落下は、重大事故につながる最も危険なリスクです。出発前の確認こそが命を守ります。


✅ 事前確認は「現場の安全と信頼」を支えるプロの技

コンクリート二次製品の運搬は、ただ「積んで運ぶ」だけの仕事ではありません。
その手間のすべてが、現場の安全、製品の品質、工程の円滑化を支えるものです。

だからこそ、搬送前に行うべき確認事項を習慣化し、“起きる前に防ぐ”意識が、プロの運搬業の真価と言えるでしょう。


🔍 運搬前のチェックリスト

カテゴリ チェック項目
製品情報 種類・サイズ・重量・破損リスク
車両計画 積載重量・固定方法・緩衝材の有無
搬入先 進入路・地形・重機の有無・時間指定
書類・連絡 納品書・連絡先・地図の共有
安全管理 過積載・落下防止・PPE着用・許可証

 

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