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皆さんこんにちは!
さて今回は
~ニーズの変動~
点ではなく“面”で価値をつくる物流
U字溝、L形擁壁、ボックスカルバート、ヒューム管…。工場で仕上がったコンクリート二次製品は、現場で“その日に、割れずに、待たせずに”置けるかで価値が決まります。ところが現場は狭く、工程はタイト、法規と安全基準は年々厳格に。運搬事業者に求められるニーズは、単なる“輸送”を超えて計画・証跡・安全・環境・人材まで広がっています。
本稿では、発注側(元請・製造)と運ぶ側の両視点で、いま現場が要請するニーズを整理し、すぐ実装できる型まで落とし込みます。
目次
時間指定・時限予約(Time Window):クレーン待ちや交通規制に合わせ、30〜60分幅での到着が前提に。
細切れ納入(半日ロット):仮置きゼロの都市現場では、午前に○ピース、午後に○ピースの分割が標準。
直据付前提:ユニック車・ラフター連携で**「降ろして即架設」を求められる場面が増加。
→ ニーズは「早く」ではなく「待たせない」。運行だけでなくヤード・合図・吊りの段取り**までがサービス範囲です。
出荷判定の数値化:設計強度到達・含水率・表面硬度で早出しを抑止。
積載・緩衝設計:間座の材質・厚み・間隔、ベルトのWLL表記、角保護、滑り止めマットの標準化。
積層方向の統一:局部応力を避ける積み方SOP。
→ 破損ゼロは荷台に乗せた瞬間から始まる品質。写真付きの「積込・荷締め手順書」が必須です。
特殊車両通行許可・軸重管理:高さ制限・重量制限橋を回避する事前ルート設計。
分割寸法の提案:通れない/吊れないを防ぐため、製品側に分割・吊点・重心の再設計を提案できる力。
→ ニーズは「運べるか?」ではなく**「設計から運べる形にする」。BIM/CIMでの早期合流**が武器です。
荷下ろし地盤の事前確認:敷鉄板・ベニヤの有無、クレーン設置位置、接触物の排除。
合図者・ゾーニング:立入禁止帯、吊荷下立入禁止、合図の統一言語。
気象限界の明文化:長尺物は風に弱い。瞬間風速○m/sで中断などの基準決め。
→ 安全は“誰のせい”ではなく三者(元請・製造・運搬)の共同責任。安全SLA(最低限の受入条件票)を交わすのが近道です。
スロット予約・ETA共有:テレマティクスで到着予測を現場のクレーン待ちに同期。
電子伝票(ePOD):ロット番号・数量・外観を写真で即共有。クレームの因果切り分けが早くなる。
BIM/CIM連携:3Dモデルに重量・外形・吊点・重心を属性として付与、吊りしろ・旋回半径を事前検証。
→ ニーズは「連絡しました」ではなく**「データで同期」**。電話は最後の手段に。
積載効率の最大化:パレット化・ネスティングで空気を運ばない。
往復の設計:復路でパレット・金具・型枠を回収する循環便。
モーダルミックス:長距離はフェリー・鉄道の併用でCO₂と拘束時間を低減。
→ 指名の条件は**「コスト+CO₂+拘束短縮」**の三点提示。数字で語る時代です。
時間窓遵守率(On-Time In Full)と損傷率をKPI化。
待機課金の定義:荷待ち・クレーン待ちの計測を自動化し、改善インセンティブを共有。
代替手配SLA:故障時の代替車・代替クレーンの到着時間を明文化。
→ 「安さ」より**「止めない約束」**が評価される。契約は現場の安心の設計図です。
動画SOP(15〜30分):積込・荷締め・荷下ろし・合図・非常時対応。
指差し呼称・共通用語:他社混在現場でも通じる合図の標準化。
資格+現場評価:玉掛け・移動式クレーンに加え、実地評価シートで力量管理。
→ ニーズは「免許」だけではなく**“再現できる安全”。教育はコストではなく事故の保険**です。
元請・現場監督
到着の確実性、クレーン待ちゼロ、夜間騒音対策、周辺交通配慮、事故ゼロの証跡
製造(プレキャスト工場)
ロット管理・破損ゼロ、出荷判定の共有、梱包仕様の標準化、回収物流(パレット・金具)
自治体・発注者
低炭素報告(t-CO₂/便、削減率)、交通影響最小化、地域安全・苦情対応
到着ウィンドウ/合図者氏名・連絡先
荷下ろし地盤・敷材の有無/クレーン設置位置・能力
進入ルートの高さ・幅・最小旋回半径/近接電線・標識の有無
夜間規制・騒音基準/風速中断規準
製品ID(型式・寸法・ロット)/数量
積載写真(積込・到着・降ろし後)
外観チェック(欠け・擦れ)/受領サイン(GPS・時刻)
立入禁止帯・合図統一・吊荷下進入禁止の明文化
風速○m/s超中断/雨量○mm/h超中断
インシデント発生時の一次連絡→報告→再開判定フロー
0–30日
積込・荷締め・荷下ろしの写真付きSOPをA4×3枚で整備。
主要顧客3社と受入条件シートを取り交わし、テンプレ統一。
30–60日
テレマティクスでETA共有を開始、スロット予約を運用。
ePOD導入(ロット・写真・サイン)→クレーム削減のKPI設定。
60–90日
BIM/CIM属性テンプレ(重量・外形・吊点・重心)を公開、設計段階から合流。
待機課金・代替手配SLAを契約に組み込み、「止めない約束」を商品化。
コンクリート二次製品の運搬ニーズは、時間・品質・安全・証跡・環境・教育の六角形で構成されています。
工程に時間で合流し、
破損ゼロを荷台でつくり、
安全を共同で運用し、
事実をデータで残し、
CO₂とコストを同時に下げ、
人を早く立ち上げる。
この六角形を揃えられる運搬事業者は、価格競争から価値競争へシフトできます。
次の現場で、まずは受入条件シートとePODから始めてみてください。“待たせない・壊さない・止めない”が、あなたの新しい標準になります。
弊社では一緒に働く仲間を募集しています♪
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